新型コロナウイルスの治療に有効?

東京都内の呼吸器内科、森下駅前クリニック。
この病院でも処方されるという、ぜんそくの薬が今、注目を集めている。

クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客の治療にあたった、神奈川県立足柄上病院などのチームは、ぜんそく治療薬「シクレソニド」を、酸素吸入を行っていた感染者3人に投与。

すると...。

これは、73歳女性患者の投与前日の肺の写真。
白い部分は、肺炎による影。

そして投与後、影が消えた箇所と薄くなった箇所ができていた。
女性は、投与開始から8日後に退院した。

3人とも投与のあと、強いだるさや食欲不振も改善したという。

シクレソニドについて、国際医療福祉大学・松本哲哉主任教授は「ウイルスそのものの増殖を抑制するだろうということが言われていて、(新型コロナウイルス治療薬の)有力な候補の一つ」と話した。

新型コロナウイルスは、肺の内部にある「肺胞」と呼ばれる部分に感染して炎症、つまり、肺炎を起こす。

普通の薬ができるのは、炎症を抑えることまで。

これに対しシクレソニドは、ウイルス自体が増えるのを抑える点が画期的だという。

しかし、症状が改善したメカニズムについては...。

国際医療福祉大学・松本主任教授「残念ながら、なぜウイルスを抑えられるのかというのは、わかってない」

シクレソニドは、吸入するタイプのごく一般的な薬。

そうなると気になるのが...。

街の人「(ぜんそくじゃなくても)普通の風邪薬みたいな感覚で、手元にすぐ、くれるのかっていうのが(気になる)」

森下駅前クリニック・篠塚成順院長「(症状がない人がほしいと言ったら?)通常は出さない形になります。気管支ぜんそくの症状がある方に処方する薬」

効果を認められた場合、新型コロナの患者にも使える可能性があるが、専門家はこんな警鐘も鳴らす。

国際医療福祉大学・松本主任教授「そんなに病気でもないんだけど、そうかもしれないから、この薬処方してくれということで、本来の、ちゃんと使わなきゃいけない(患者から外れるのが問題)」

今回、シクレソニドの投与を報告したグループは、薬を与えた患者の数が少なく、効果を評価できないとして、一定数症例が集まってから、あらためて発表する方針としている。

一方、5日、大阪大学の教授と製薬会社などが、遺伝子治療に関する今までの実績を使って、新たに予防用DNAワクチンと治療薬の開発に着手すると発表した。

静かに進む、新型コロナ包囲網。
治療薬の効果は...。

(2020/03/05)

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