袋井市を訪れていた神奈川県の50代の男性が新型コロナウイルスに感染していることが3月10日、分かりました。男性は、市内の商業施設に買い物に2回出かけていて、市は小中学校の卒業式の中止を決めるなど、波紋が広がっています。
 県医療健康局 鈴木宏幸局長「県内から新型コロナウイルスの感染症患者の発生が確認されました」
 県内で2人目となる新型コロナへの感染が確認されたのは、3月7日から袋井市を訪れていた神奈川県の50代の男性です。男性は、発熱や呼吸困難の症状があり、3月9日、県西部の病院に入院しました。県によりますと男性は2月26日、神奈川県内で発熱や咳、嘔吐の症状があったということで、気になるのは県内に来るまでの男性の移動経路です。
 記者「男性は掛川駅で在来線に乗り換えた後、西へ向かいました」
 県の説明によりますと、男性は3月7日、JR新横浜駅午前8時16分発の「こだま637号」新大阪行き1号車の中央あたりに乗り、掛川駅まで移動しました。掛川駅に9時39分に着くと、9時40分発の東海道線に乗り換えました。
 記者「JR袋井駅です。男性はここで在来線を降り、タクシーに乗り換えて自宅に向かいました」
 男性を乗せたタクシー会社の運行管理課長「袋井から感染者が出るとは思ってもみなかったし、患者さんが自社のタクシーに乗ったのは驚き。ショックです」
 県の聞き取りでは、男性はこの移動中マスクや手袋をしていました。
 その一方で気になるのが2度の外出です。
 県の会見「(記者)袋井市の商業施設では、マスクは?」「マスクはしていなかったと確認している」
 県は、11日までに男性の店内での動きを確認し、商業施設の客や店員に濃厚接触者はいないと判断。そして、男性を乗せたタクシー運転手は濃厚接触者と確定し、14日間の自宅待機を命じたとしています。
 この事態を受けて袋井市には波紋が広がっています。
 市民「のちのち来るかなと思ったが、早めに来た」「いつかは身近に来るとは思っていたがこんなに早く県内で2人目とは突然でびっくりした」
 袋井市は、10日夜、緊急会議を開き、市内の小中学校で予定されていた卒業式の中止を決めました。
 袋井市教育委員会 金田裕之学校教育課長「子ども達や保護者にとっても、一生に一度の思い出になる式なので、中止にするのは重い決断だった。しかし、子どもの安全を第一に考え中止にせざるを得なかった」
 このまま春休みに入ってしまう子どもたちに対して、電話で様子を聞くなどのケアに万全を尽くすとしています。卒業式を控えた小中学生とその保護者は突然の決定に動揺しています。
 小中学生と保護者「卒業証書を受け取るところを見たかった」「みんなともっと遊びたかったけどもうお別れだから悲しい」「ショックというか急に休校のまま友達に会えないかたちなので今はまだ現実がのみ込めていない」「遠くの高校に行っちゃう子たちは本当に会えなくなってしまう」

powered by Auto Youtube Summarize

おすすめの記事