6月18日朝早く、札幌市東区の住宅街に出没したヒグマ。 

 市街地を走り回り次々と人を襲い、合わせて4人がケガをしました。

 騒然となった現場、捜索から駆除まで、緊迫のドキュメントです。

  三宅 真人 記者:「住宅街の中をクマが走っています。道路を横断しようとしています。非常に危険です」

 三宅 真人 記者:「自衛隊の敷地内です。自衛隊の門をクマが入ろうとしています」

 6月18日午前8時前、陸上自衛隊丘珠駐屯地にクマが正門から侵入、阻止しようとした男性自衛官に襲い掛かりました。

 さらに…

 映像を撮影した人:「クマがいる。あっ、人が…やられている!」

 午前7時すぎには、札幌市東区北33条東16丁目で歩道を歩いていた40代の男性が、突然背後からクマに襲われました。

 長岡 伶奈 記者:「こちらではクマに襲われたと通報があり、救急隊がケガをした男性の経過観察中です」

 クマに襲われた人はその時の恐怖を次のように語ります。

 クマに襲われた70代男性:「爪がぐっと刺さった感じ。切り傷。病院に行ってきた。血が止まらないので。私は走って逃げたけれども、転んだ所にクマが上からどっときた。びっくりした。心臓止まるかと思った」

 クマに襲われた80代女性:「まさかこの辺にクマが出るとは思わない。ごみ出しをしていたら、クマが後ろを走っていた。ウワーっと襲われて、ギャーと言うと逃げていった。死ぬと思った。あの勢いで来られたから」

 最初にクマが目撃されたのは、札幌市東区31条東19丁目の住宅街で、午前3時半ごろから「大きめのクマ1頭が住宅街を南方向に走っている」などと警察に通報が相次ぎました。

 クマの目撃情報は合わせて約30件近くに上りました。

 クマを目撃した住民:「これが足跡。網やパイプを倒していった。男性がゴミ捨てで外へ出たところ、後ろから襲われ引きずられた。ギャーっと声がしたので家から見ると、クマの大きなお尻が見えた」

 別の目撃者:「目の前で見た。正面を走ってくるところ。窓に突進するのではないかと思った。結構大きかった、子グマではない」

 クマは、付近の小学校や商業施設の敷地内に入り込んだほか、自衛隊の駐屯地にも侵入。

 警察によりますと、ゴミ出し中に襲われた70代男性と80代女性が軽傷。路上で襲われた40代男性が骨折などの重傷。男性自衛官も脇腹をかまれるなどしてケガをしました。全員意識はあり命に別状はありません。

 鎌田 祐輔 記者:「クマがいました。こちらを見ています。警察車両3台が警戒にあたっていますが、クマが草むらに隠れました」

 警察の広報車:「クマが近くにいますので、反対車線に移動してださい」

 警察が警戒する中、近くには通学する生徒の姿も…

 その後、午前8時過ぎには丘珠空港の滑走路でクマの姿が確認され、滑走路が一時閉鎖される事態となりました。

 そして、最初の目撃情報から約8時間後…

 午前11時すぎ、東区丘珠町にある会社の敷地内に身をひそめていたクマ。 

 茂みから姿を現した瞬間、猟友会のハンターが銃を構えます。次の瞬間…

 鎌田 祐輔 記者:「いま猟友会のハンターが銃を構えました。いま発砲しました!2発目を撃ちました。そして3発目の音が聞こえます」

 ハンターが合計5発、発砲し、午前11時20分クマはようやく駆除されました。

 仕留められたクマは体長約1.6メートル、約160キロ、5~6歳のオスとみられています。

 鎌田 祐輔 記者:「いま駆除されたクマがブルーシートで覆われています」

 クマが駆除されたのは、換気ダクトなどを作る会社の敷地内でした。この騒ぎで朝から全ての作業がストップしました。

 道研設備 杉本 宗大さん:「今日はもう朝から何もできなかった。捕まってよかったです」

 札幌市のマチを震撼させたクマ。早朝から約8時間の捜索劇のすえ、住民にようやく日常生活が戻りました。

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