岸田総理が21日に年度内をめどに廃棄する考えを示した、いわゆる“アベノマスク”。今も8000万枚以上の在庫を抱え、保管費用は昨年度だけでも6億円以上かかっています。倉庫の中で眠り続けるマスクの現状を取材しました。
東京近郊にある大手運送会社の物流倉庫。
記者
「うわっ、段ボールがぎっしりと積まれていますね」
そのワンフロアに所狭しと積み上げられているのは、10万個もの段ボールです。中に入っていたのは・・・
記者
「見てください、ありました。“アベノマスク”です」
新型コロナ対策として政府が配布していた「布マスク」いわゆる“アベノマスク”です。その数なんと8000万枚にものぼります。
安倍首相(当時)
「本日はわたしもつけているが、この布マスクは使い捨てではなく、急激に拡大しているマスク需要に対応する上で極めて有効である」
そもそもこのマスクは去年4月、当時の安倍総理の指示のもと“緊急の感染対策”として、トップダウンですべての家庭に配布することが決定されました。政府は、全国で品切れが相次ぎ高騰していたマスクの「価格低下に繋がる」と意義を強調していました。しかし・・・
立憲民主党 大串博志衆院議員
「総理が配っていただいたマスク、ちょっと空気を吸うことがなかなか難しい」
安倍首相(当時)
「私ずっとしているんですが、全然息苦しくはございません。意図的に貶める発言はやめていただきたい」
評判は芳しくなく、むしろコロナ対策の“負の象徴”として非難を浴びる事態に。思わぬ“貧乏くじ”を引かされた厚労省からは、恨み節が漏れてきました・・・。
厚労省関係者
「あれは本当に最悪だった。突然、全世帯に配布すると官邸で決まった。厚労省には『こうしろ』という通告だけで、反対しても聞いてもらえない」
調達された布マスクの総数は2億9000万枚。このうち1億3000万枚が全国の家庭に一律で配られ、残りが介護施設や保育所などに配られる予定でした。しかし、施設側からは「サイズが小さく、実用的ではない」といった声が相次ぎ、結局、政府は施設向けの配布を断念しました。
厚労省の担当者
「『いらない』というふうにおっしゃってるところに無理やり送ることは、やらないという方針を今回決めた」
そして、余ったマスクはほとんど手つかずのまま、今も倉庫に保管され続けています。
記者
「この8000万枚以上のマスク、なんと保管するための費用として、年間数億円以上がかかっているということなんです」
保管費用は昨年度だけでもおよそ6億円、今年度も数億円以上がかかる見込みです。大量の在庫を背負わされた厚労省は、その使い道について検討を重ねてきました。
厚労省関係者
「『何でこんなことをしたんだ』と言われて説明しないといけないけど説明が難しい。現場を知らないし、見ていないからこそ、実務を加味せずに決めるのではとても困る」
行き場を失った“アベノマスク”に岸田総理は・・・
岸田文雄首相
「財政資金効率化の観点から、布製マスクの政府の在庫についてご希望の方に配布し有効活用を図った上で、年度内をめどに廃棄を行うよう指示をいたしました」
年度内をめどに余ったマスクを廃棄する方針を表明しました。しかし、廃棄するとしても数千万円単位の費用がかかる可能性もあります。倉庫に眠るマスクに、政府は引き続き、頭を悩ませることになりそうです。(2021年12月22日15:14)
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