Tomiaki Fukuda, President,Japan Wrestling Federation
Saori Yoshida, Gold medalist , female wrestler
2020年五輪競技からのレスリング除外問題について、福田富昭・日本レスリング協会会長(国際レスリング連盟副会長)と吉田沙保里選手が会見し、記者の質問に答えた。
福田会長はタイで2月15~17日に行われた国際レスリング連盟理事会の討議内容を紹介し、5月にサンクトペテルブルクで開かれるIOC理事会での巻き返し策について説明した。
吉田選手は、がんばっている子どもたちがたくさんいるので彼らの夢を失わないように、国際交流などの活動を通じてレスリングが復活できるようにアピールしていきたいと語った。
司会 日本記者クラブ企画委員 別府育郎(産経新聞)
日本レスリング協会のウェブサイト
http://www.japan-wrestling.jp/
日本記者クラブのページ
http://www.jnpc.or.jp/activities/news/report/2013/02/r00025408/
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記者による会見リポート(日本記者クラブ会報2013年3月号に掲載)
最後まであらゆる手立てを 歴代メダリストもロビー活動
国際オリンピック委員会(IOC)理事会による、突然のレスリング除外決定。東京が招致を進める2020年五輪の実施競技からレスリングが外れる混乱の渦中の人だ。
理由は明示されず、昨夏のロンドン五輪での人気度などに基づくと伝えられる除外決定だけに、国際レスリング連盟(FILA)副会長でもある日本協会会長は戸惑いが先立った。福田氏は「古代オリンピックで行われ、近代五輪でも1896年の第1回アテネ大会から入っていた伝統あるレスリングが外れたのは非常に残念」と無念さを強調した。
しかし、歴史を強調するだけではIOCに響きがたいだろう。「FILAも改革しなければならない点が多い」と認めた。分かりにくいグレコローマンスタイルに変革の手を加え、女性委員会の設置、倫理委員会の確立、さらに五輪招致を争う日本とトルコが手を携えて存続を図る作業グループを構成─など、FILA理事会で手を打ったと説明した。
レスリングは20年五輪で実施される28競技の、最後の一つに滑り込む可能性は残る。野球・ソフトボールなど7競技にレスリングを加えたレースだ。最終決定は9月のIOC総会。その前の5月のIOC理事会で絞り込みがあるとも言われる。「五輪メダリストを集めるなどIOC理事にロビー活動をしたい。ロシアのカレリンも参加すると聞いている」と、五輪・世界選手権で12連覇し、人類最強といわれたカレリン氏らがIOC理事にアピールする計画を明かした。
五輪3連覇の吉田選手は、先の見通せない状況下、復活の希望を口にした。「信じられないことが起こった。五輪に出たいという子どもたちの夢を壊さないようにと訴えたい」と語った。
共同通信編集委員
小沢 剛
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