外国為替市場でおよそ20年ぶりに円相場が一時1ドル=126円台をつけました。過度な円安は今後、さらに消費を落ち込ませかねません。
記者
「為替を表示する画面は1ドル=126円12銭という表示になっています」
きょう午後3時すぎ、一時1ドル=126円台をつけた円相場。2002年5月以来、実に、19年11か月ぶりの円安水準です。アメリカの中央銀行にあたるFRBが金融引き締めを加速させるとの思惑が拡大。円を売ってドルを買う動きが加速しました。
円相場は今年3月の半ばまでは1ドル=115円台で推移していましたが、この1か月あまりで10円以上、円安が進行しています。急速に進む円安が消費の現場を苦しめています。
きょう夕方。都内のワインショップでは一段の円安の進行に不安を隠せません。
ヴィノスやまざき 保坂清仁さん
「126円急激に到達して非常に驚いています。今後どうなっていくのかなという不安な気持ちでいっぱいです」
この店では、すでに円安の影響で来月からのおよそ170品目で値上げを決めていました。
ヴィノスやまざき 保坂清仁さん
「ここまで耐えに耐えて価格を上げずにきたんですけど、最後の円安という影響を受けて私どもとしても(価格をさらに)上げざるを得ないのかなと」
このまま過度に円安が進み、物価高に拍車がかかれば家計が圧迫され、消費が落ち込みかねません。
鈴木俊一財務大臣
「政府としては為替の安定は重要であり、急速な変動は望ましくない。緊張感をもって注視して参りたい」
鈴木財務大臣はこう牽制しましたが、黒田総裁はきょう午後3時すぎ…
日本銀行 黒田東彦総裁
「日本銀行としては現在の強力な金融緩和を粘り強く続けることで…」
今回126円台をつけたのは、日銀の黒田総裁がちょうど講演していたタイミングです。日本は改めて金融緩和で金利を低いままに抑えるという姿勢を見せました。「これによって、一段と円安に振れた可能性もある」という市場関係者もいて、日米の金利差が大きいままでは、円を売ってドルを買うという投資家の心理が変わることもありません。
市場ではすでに、政府にも日銀にも円安を止める力はないと見られていて、家計に多くの負担を強いる円安は今後どこまで続くのでしょうか?
(13日16:58)
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