被害者は一体誰なのか。

福岡市の九州大学跡地で切断され白骨化した遺体が見つかった事件は、有力な手がかりがないまま4月14日で発生から1週間となりました。

◆赤木希アナウンサー
「事件発覚から1週間が経過した九州大学箱崎キャンパス跡地です。捜査員が行き交っていた当時の慌ただしさは無くなり作業員が淡々と工事を進めています」

広さ約43ヘクタール。

目の前に広がる広大な現場が事件解決の難しさを端的に示しています。

事件が発覚したのは4月7日。

再開発計画が進む福岡市東区の九大箱崎キャンパス跡地で、解体工事のがれきの中から切断された腰と大腿部のほぼ白骨化した遺体が見つかりました。

警察は死体遺棄事件として捜査本部を設置。

司法解剖の結果、遺体は20代~40代の成人男性で、死後2ヵ月~7ヵ月が経過していることが分かりました。

遺体のDNA型も特定されましたが、警察庁のデータベースに該当は無し。

身元は未だに分かっていません。

捜査本部は遺体が見つかったがれきの集積場付近の捜索を続けましたが、新たな手がかかりは得られず、現場での捜査を一旦打ち切って、行方不明者のDNAとの照合や大勢の工事関係者への聞き取りなど地道な捜査へと手法を切り替えました。

捜査幹部は「かなりの長期戦を覚悟している。地道な捜査を続けるしかない」といいます。

一方で、今回見つかった遺体の状態からどのような犯行が考えられるのか?

切断された遺体も数多く検死してきた監察医に尋ねるとー

◆福岡県警察医会・大木實会長
ーQ.大腿骨は太いが、スパっと切れる?ー 

「切れませんね中々。少なくとも普通の料理包丁とかそういった類の刃物では無理。」

ーQ.切断の道具として考えられるものとしては?ー 

「手近なところではのこぎり。ただ非常に切断面がきれいであれば例えば電動のこぎりなどはきれいに切れる。」

遺体の左脚は膝上に、右脚は付け根の部分に鋭利な刃物で切断された痕跡がありました。

こうした切断遺体の事件には共通した特徴があるといいます。

◆大木實会長
「ひとつは被害者を特定されないよう遺体を切断。それと相当の憎しみがあってそういう行為をやる。」

今後の身元特定の糸口について大木医師はー。

◆大木實会長
「頭蓋骨が見つかるということは非常に重要。頭蓋骨が見つかれば生前の顔が推定できる。」

長期化の様相を呈し始めた九大跡地の切断遺体事件。

捜査本部は、身元の特定を進めると共に事件の全容解明を急いでいます。

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