シリーズ「現場から、」です。アメリカでは、新型コロナの影響で働き手の確保が難しい状況が続いています。その結果、起きているのが賃金競争です。この競争を、あるアイスクリーム店から見てみました。
東部ペンシルベニア州。創業99年を迎える小さなお店の人気商品は、アイスクリームです。ホイップクリームやフルーツなどをトッピングしたパフェも人気。ワッフルコーンは注文を受けてから1枚ずつ焼き、温かいコーンに冷たいアイスを乗せて楽しみます。
「とても美味しい」
「普段は外にまで行列ができているので、きょうはすぐに入れて良かったです」
地元で人気のこのお店。実は去年、経営存続の危機に直面しました。稼ぎ時の夏場に向け従業員を20人募集しましたが、1人も応募が来なかったのです。
アイスクリーム店オーナー ハンチャーさん
「不安でした。1人の応募も無いのは異例です」
アメリカでは、新型コロナの影響で人手が不足。少ない人材を奪い合うため、大企業が相次いで賃上げを行い賃金の上昇が続いています。結果、中小企業の多くは賃金競争に負け、働き手を見つけられない事態になっています。
「このままでは営業ができなくなる」。追い込まれたオーナーは大きな決断に踏み切りました。
記者
「問題の打開策として打ち出したのが、従業員の時給を2倍に引き上げることでした」
7ドル(およそ800円)だった時給を、一気に2倍の15ドル(およそ1700円)に引き上げたのです。すると、直後から問い合わせが殺到。応募者は2週間で1000人を超え、採用枠はすぐに埋まりました。
そして、従業員にも変化が現れます。労働意欲が改善し、接客サービスが大幅に向上したのです。
従業員
「2つ3つ仕事をかけもちしていた従業員が、時給が上がったことでこの仕事を優先できるようになりました」
また、常連客の間で店を支えようという動きも広がり、売り上げは2倍近くに増えました。
アイスクリーム店オーナー ハンチャーさん
「通常、10月に入ると、収益はがくんと落ち込むのですが、今回は年の後半になっても増えました。従業員の時給を2倍にした結果だと思います」
一方で、賃金の上昇を価格に転嫁する動きも出始めています。ある調査では、8割の企業が賃上げなど「コストの増加を補うため、価格を引き上げた」と回答。結果的に、賃上げが物価を押し上げる原因の1つになっているのです。
アメリカ バイデン大統領
「雇用や世帯収入が回復しても、国民は物価高やコスト高の苦しさを感じている」
「バイデン政権が招いたインフレ」だとして、“バイデンフレーション”とも揶揄される歴史的な物価の高騰。今のところ価格は据え置いているアイスクリーム店も、賃金競争や物価高がいつまで続くのか、固唾を飲んで見守っています。(12日10:31)
#アメリカ #賃金 #インフレ
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