常連客の悪質なカスハラで閉店に追い込まれたラーメン店。2年間にわたって店を苦しめてきた客への処分は罰金10万円でした。
■“迷惑行為”で警察から厳重注意
ラーメンに入っているのは「200本のつまようじ」です。コショウを丸々1本分入れ、さらに酢を丸ごと入れる姿も…。
迷惑行為が繰り返されていたのは、こちらのラーメン店が経営するお店です。数年前から繰り返されるカスハラに悩まされていたといいます。
以前、番組でも取り上げた茨城・水戸市のラーメン店で起きた迷惑行為。おととし3月に来店した男性客がつまようじを大量に投入しました。
同じ男性客が去年3月再び来店し、コショウや酢をすべて投入したうえで食べずに退店する行為も。
「いっけんめ」オーナー
「作っている側としたら、怒り心頭ですよね。怒りを通り越す…。通り越してもう、何も言えない…」
男性客は警察から厳重注意され、来店することはなくなりましたが、今度は別の嫌がらせが始まりました。
■専門家…現状の法律・ルールでは対応難しい
一日に数十回電話をかけてきて、出ると「殺すぞ」などと脅迫や暴言を浴びせられたといいます。
従業員の安全を考え、人気だった店舗を泣く泣く閉めることにしました。その後、警察に被害届を提出、男性は略式起訴されました。
裁判所が男性客に対して下した処分は…。
「いっけんめ」オーナー
「最初はこれだけでも10万円なんだということは思いましたけど、これが逆に高額だったら、さらに恨みを買うんじゃないかというのも思いました」
2年にわたって苦しめてきた男性客に言い渡されたのは「罰金10万円」でした。
「いっけんめ」オーナー
「(Q.受けた損害を考えると)実際のところだと足りません。お店で成り立っていた売り上げがゼロになったわけですから」
裁判で認定されたのは電話で受けた脅迫行為のみ。専門家は、現状の法律やルールでは対応が難しいと話します。
東京都カスハラ検討部会 内藤忍委員
「ラーメン店の人が被ったことによって閉店することになった。そういったものを含めて損害というのを加害者に民事的に請求するということは可能かと思います。ただ、民事訴訟で勝ったとしても支払い能力があるのかというと、ない可能性も高いと思うので、おそらくやらないしトータルで考えると刑事法規でも民事でもあまりうまくいくケースではない」
社会問題化しているカスタマーハラスメント。東京都ではカスハラを防止する条例の制定に向け、検討部会を設置。全国初のカスハラ防止条例をめざします。
内藤委員
「事業主がそういった規定などあれば、一般市民に向けてもその文言を使って毅然とした態度を取るということが可能になってくると思います」
(「グッド!モーニング」2024年3月14日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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